[ふしけんアーカイヴス:特別取材記]

物理研究家 佐佐木康二

森田 健



 フリーエネルギーとは何だろうか? 気とは何だろうか? この問いに対してすべての現象を矛盾なく説明できる理論に、私はいまだに出会っていない。
 この世界には大きく分けると二つの理論が君臨していると思う。
 ひとつの有力な理論は波動論派だ。彼らはフリーエネルギーは波動であり、かつ微少な粒子であると言っている。あまりに微少なために現在の科学では測定不能だと言う。それは生命の源であり、気そのものだとも言う。確かにそれらのエネルギーは説明できるかも知れないが、残念ながら私が第一号のまえがきで書いたテニスボールの反転が説明できない。
 もう一方は高次元派だ。実は、彼らの本を読むとき、常に高次元の要素は何かを注意して読むのだが、それが精神的レベルの次元だったりしてガッカリさせられる時が多い。四次元は愛だの真実だとの言われても、愛でテニスボールがひっくり返るとは考えられないのだ。そのためか、私が四次元の研究をしていると言うと、それは宗教ですかなどと言われてしまう時さえある。
 私は新しいものを求めている。だからすでに本などを出版している人を取材することは、できるだけ後回しにしたいと思っている。世間にはまだあまり知られていなくて斬新な考えを持っている人、しかもプラスのエネルギーを持っている人、そんな人を探しているのだ。そして今回そんな研究家に出会うことができた。

だから電波は飛んだのだ

 高次元論派であり、しかも愛だの真実だのを導入せず、物理的に計算式も加えてクールに説明してしまう人に出会うことができた。その人の名前を佐佐木康二と言う。
 佐佐木さんには仙台駅から青葉通りを10分ほど車で行った所にある福来心理学研究所でお会いした。福来博士は昔、月の裏側の念写写真を撮ったことで有名だ。
 佐佐木さんは若干42歳。大学卒業後、国鉄の東北新幹線の技術者として八年のキャリアを積んだ後独立、現在NLL物理研究所の主幹をし、不定期にだが研究結果を会報の形で出している。それらは情報保護のため会員とみとめた方のみに配布するものなので、一部の具体的数値等については、今回の取材記事が初めての一般公開となる。
 ただし彼の論文は相対性原理の方程式まで随所に登場するといった非常に理科系的なものであるため、そのままだと縦書きの本書には合わない。従って私がそれらを文章化するという解説方式にした。
 もし論理的な方程式をも含めて理解したい人は彼の研究会に入り、直接入手していただきたい。連絡先は巻末に記した。
 ではさっそく本論に入ろう。佐佐木さんは言う「電波は横波、音波は縦波、水面の波はほぼ横波である」。さらに「この世界は高次元空間の断面、あるいは超平面である」と。
 私は第一号で、電波はなぜ飛ぶかが分からないと言ったが、彼の言葉を聞いてあることがひらめいたのだ。
 音は空気がなくては伝わらない。水面の波は水が無くては伝わらない。なのに電波はどうして真空中を伝わるのだろうか? 媒体という存在がなくてどうして情報が伝わるのか? この問題に私は30年間も悩んできた。手作りの送信機から出た電波がブラジルまで飛んだ瞬間からである。実はこの問題解決の糸口を、佐佐木さんのところでつかむことになった。
 この問いに対して、波動論派はフリーエネルギーの元になる超微粒子が宇宙に存在し、それが媒体になると説明している場合が多い。宇宙に何かの媒体が存在すれば、それを伝わってくればよいのだから電波の伝わる理由もわかる。しかしものごとはそんなに単純だろうか。
 よく考えてみよう。水面の波は横波と言って、波の進む方向と直角の方向に上下する。正確に言うと、水面の波はほんの少し回転している。その回転がサーファー用語で言うところのチューブを作るのであるが、99%は横波だと言える。このタイプの波は弾力性のない物質の中では、その表面にしか発生しない。だからサーファーは沈んでしまうと二度と波には乗れない。海中には波がないからだ。逆にどんなに海面が荒れていても、水に潜れば静かだろう。
 水の波も横波で電波も横波ならば、電波はサーファーが乗る波と同じタイプの波なのだ。つまりそれらの波は媒体の表面にしか発生しない。では電波にとって水にあたる媒体はどこにあるのか、おそらくそれは一つ上の高次元にあるのだろう。
 少し難しい表現を使えば、われわれがいる三次元の世界は四次元の世界の断面である、あるいは超表面であるために、水にあたる本体が見えないだけなのだ。私は佐佐木さんの言葉からこれらのことがひらめいたのだ。
 電波を発信するとき、われわれはアンテナを使い、四次元に存在している媒体(それを仮に媒体Xとしよう)を振動させる。そこで起こった表面の波が電波なのだ。光も電磁波なので同様だ。ライトをつけたときに四次元の媒体Xの上にある種のさざ波を起こすのだ。
 そういう意味では、われわれはずっと表面の波しか知らなかった。ではその本体の海原はいったい何なのだろうか、いよいよその本体に迫る。
 佐佐木さんは言う。「高次元の媒体Xの中には、超高速で伝わる縦波が存在する。だから気功などの超エネルギーを、横波である電磁波の測定器で測ってもうまくいかなかったのだ」と。
 佐佐木さんが言った超高速の意味を考えてみよう。沖合の波は岸につくまで、のらりくらりとかなりの時間がかかる。しかし、もし海中で石をたたけば、その音はそれより早く岸に到達するだろう。地震でも縦揺れの波のほうが横揺れよりも早く到達する。
 だから電波や光といった横波よりも、その本体を走る縦波のほうがはるかに早いことは十分に考えられる。
 佐佐木さんは「気功の気は高次元を走る縦波である」と言っている。従って気はこの三次元を伝わる波ではない、それゆえ測定器にはひっかからない。遠赤外線だと言われたりするのは、三次元の境界面に発生する微少な横波だからだろうと佐佐木さんは言っている。海中で大きな音を立てれば、すこしばかりさざ波が立つ、あれである。その裏にはイルカの超音波通信のごとく、高速で伝搬する本流があるはずなのだ。
 横波はそれを受けた本人に圧力を感じさせないはずだ。だからいくら強いライトを浴びてもその瞬間に圧力を感じたりはしない。光は横波だからだ。しかし大きな音には圧力を感じる。うるさい車の排気音で窓ガラスが振動するのはそのためだ。なぜなら音が縦波だからだ。同様に気功師から強い気を感じたときに飛ばされる感じを受ける人は多いだろう。(私は感じなかったのだが)。あれは気が縦波であることの証拠なのだと思ったりもするが、どうだろうか。
 電波や光が横波なのに対し、気は縦波だという発見は、すべてを解く鍵になりそうだと思った。
 ここまでは理解できただろうか? 私は分かったつもりになっている。電波の飛ぶ理由が高次元を使って説明できたことに、二三日、興奮がおさまらなかった。

気は高次元の縦波に乗せた情報だ

 さて、これで気は四次元空間を直接伝搬する縦波であることがわかった(と仮定しよう)。しかしそれを使って気功師はどうやって病気を治したり、人をコントロールしたりするのだろうか。
 「FMラジオの原理がそれに近い」と佐佐木さんは言っている。われわれはFMラジオでロックを聞いたり、クラッシックを聞いたりする。この例を借りて言うならば、ロックが人をコントロールし、クラッシックが人を癒すのだ。FM電波そのものではない。
 気功師からエネルギーが出て、それが相手にたどりついて、相手の体内に良い影響を及ぼしているのだと思っている人は多いだろうが、佐佐木さんは違うと言う。
 FMにたとえて言えば、まず搬送波と言われているFMの電波にあたる部分が高次元の媒体Xの流れの振動である。いわば水中の音波そのものである。高次元の媒体Xは高次元の空間のどこにでも存在し、そして、それはわれわれ三次元のどこの部分にも接している。気功師はこれを使って癒しのエネルギーを出す。いや、誤解しないでほしい。気功師はエネルギーのみを出すのではない、FM電波がクラッシックの音楽を乗せるように、癒しの情報を乗せるのである。気功師は放送局であって、電力会社ではない。エネルギーそのものを送っているのではなく、情報を乗せて送っているのだ。
 電波に音楽などの情報を乗せることを変調するという。われわれがFMと言っているのはFM変調の略である。佐佐木さんは気功の場合は、FM変調とは言わず、正確には位相変調と言っている。位相変調は理論的には存在するが、これを使って放送などに採用している例はたぶんないと思われるため、私が話の都合上FM変調とした。
 ひとことで言うと、「気は高次元の縦波を使った情報である」ということだ。
 ここまでは私は理解できている。皆さんはどうだろうか?



四次元で回転するということ

 さて、次の問題、気功師はどうやって気の情報を出しているのだろうか? 次元を超えた話はまだまだ続く。
 三次元の世界では、いろいろな物質は回転することによって安定を得ている。銀河系、太陽系からはじまって原子の世界でも回転は重要な要素である。
 それは高次元の世界でも同様だ。三次元の物体が空間的に回転しているのに対して、高次元ではなんと「時間軸の方向にも回っている」という。私は四次元の要素を空間だとしたが、彼はその先にはやはり時間の要素が必要だと言う。それを軸として回っているからだと言う。
 時間軸の方向にも回っている」ということを言い替えると、「角運動量が時間とともに変化する」ということになる。角運動量などという難しい言葉が出てしまったが、ぐるぐる回るための運動量のことだ。
 われわれ三次元では、外から力が加わらなければ角運動量は一定だ。これは、地球は太陽の回りを楕円軌道で回るが、太陽との間にできる扇形の面積は単位時間あたり常に一定であることを意味する。フィギュアスケートの選手がスピンターンで決める時、広げた腕を縮めるのは、回転スピードを上げるためである。これは角運動量一定の法則を逆利用した例だ。
 さて逆に、「角運動量が時間とともに変化する」ことの例は、コマの回転が止まりそうになった時、ユラユラとする振動を定期的に起こすときがあるが、それのことである。回転そのものが時間的に一定の変化をすることは、とりもなおさず時間の方向にも回転していることなのだ。
 三次元では太陽系から原子まで、空間的に回転していることを考えれば、四次元では時間的にも回転していることはおおいにうなずける。難しい結論になったが「高次元の縦波は角運動量が時間とともに変化している波」なのだ。このことをちょっと頭の隅に置いてもらって次に進む。
 ところでくどいようだが、私はここまでは理解できている。皆さんはどうか?




気のアンテナはどこにある

 次はまず、どこから気功師は気を発信できるかだ。何かを発信したり受信したりするには必ずアンテナのようなものが必要である。音は口と耳を使うといったぐあいにだ。気功師は手のひらを使うと言う人は多いだろう。しかし手にそのようなアンテナがあることを解析した人はいるだろうか? しかし佐佐木さんは手でもあると言う。そして正確には「小さい組織としてはタンパク質やDNAのような交差した螺旋(らせん)状のものすべて、大きい部分としては神経が脳にいたるまでの左右交差などもアンテナになる」と言っている。これはなぜか。「その理由は、角運動量一定の法則が適用できないメビウスの輪は、まさに縦波のアンテナになりうる」と彼は言っている。
 メビウスの輪はご存知だろうか。ある長さの紙テープを用意し、その端を180度回して接続するとメビウスの輪になる。これは、たどっていくと表だったものが裏になるという両面性を持ち、テープの真ん中をはさみで切ると、一つの大きな輪になる。さらにそれを切ると今度はふたつの輪が交差したものになるという不思議な輪である。このメビウスの輪の上でボールを転がすと角運動量一定の法則が成り立たなくなるのだそうだ。
 実はこの一言が私を悩ませた。いままでメビウスの環で遊んだこともないし、彼の計算式を目で追っていってもほとんどわからない。私はもともと計算式を使った物理を信用していない。理性で分かった気になっても、感情で分かった気にならないからだ。しかし、メビウスの環を一つ作ってぐるぐる回しているうちに、何となく佐佐木さんの言うことは55%程は正しいのではないかと思い始めたのだ。理性で分からず感情で分かるという危険な状態だが、55%に賭けて次に進むことにする。従ってこれから先は私も半信半疑の世界である。実に無責任な話だが・・・。
 佐佐木さんに言わせると、角運動量が時間とともに変化する高次元の縦波を受信するのに、この角運動量が一定でないメビウスの輪という物体はアンテナとしてちょうど良いのだそうだ。
 人間の目は右目が左脳に、左目が右脳に接続されている。同様に手や足も逆の脳につながっている。DNAもタンパク質も交差してらせん構造になっている。これらはすべてメビウスの輪の条件を満たしているのだそうだ。
 これでいくと、元々われわれのからだ自体が高次元の空間に情報を発信できるように作られていたのだ。気はからだのあらゆる部分を使って出すことができる。もちろん手のひらからも可能だ。
 もうひとつある。地球のマントル対流もメビウスの環と同じ流れを作っているという。つまりこれによると、地球自身が高次元から情報を受信するための大きなアンテナになっているのだ。
 発信できるしくみはわかった(と仮定しよう)。では気功師はどうやって情報を乗せるか?
 それはまさに、コマの例を出したときのように、「ゆらぎ」を乗せるのだ。高次元媒体Xの基本周波数を、常にわれわれは受けている。それをユラユラ揺らせば良いのだ。その「ゆらぎ」がその人にとって良いものかどうかを判断し、それを作り出すのが気功師の実力である。佐佐木さんは「人には共振作用がある」と言う。つまり相手が必要とするゆらぎの波を、共振作用で知ることができるという。そしてこのことは相手の存在そのものをキャッチすることにも使うことができ、写真で気が送れるのもこのためだと言う。
 結論として整理しよう。「気は高次元の媒体に縦波の形で乗せられた情報であり、アンテナとしてからだのDNAなどのらせん部分を使っている」のだ。













ピラミッドパワーの謎を解明

 人体に関する気の受発信を解明しつつ、佐佐木さんはエネルギーが出ると言われている物体についても研究を進め、ピラミッドの形に挑戦する。
 とりあえずクフ王のピラミッドで代表される、周の回りの長さを高さの2倍で割った値が円周率(π)になるような模型を作り、彼はじっとながめた。そのときひらめいたのだ。もし周囲にエナメル線を張ればそれはメビウスのコイルになることを。
 実際に作ってみると非常に強いパワーが出た。
 ちなみに佐佐木さんのアドバイスを得ながら不思議研究所でも同様のものを制作してみた。そしてあまりに効果があったので作り方を公開したい。
 (1)まず図表のような寸法で、ボール紙を使いピラミッドを作る。接着にはでんぷん糊が良いという。
 (2)エナメル線などの導線を頂点AからA→B→E→Aと巻き、残りは余裕を残して切る。同様にA→C→D→Aも巻く。この時、エナメル線をとめるのもでんぷん糊が良いという。しかし私はセロテープを使ってしまった。
 (3)頂点の四本のエナメル線の被覆を取り去り、四本をワニ口クリップ等でとめればスイッチが入ったことになる。スイッチをいれる前にピラミッドのエナメル線が通っている底辺の方向が南北に一致するように置く。
 (4)ピラミッドのそばに座り、リラックスしてスイッチをいれると、敏感な人なら30秒ほどで体に変化が感じられるようになる。頭部がスースーしたり、手をかざすとピリピリしたり、逆に肩が凝ったりするといった感じだ。これは外からだと刺激が鋭利すぎるためで、体に良いものにするには天井から吊して、その下に入るようにするのが良いそうだ。
 ピラミッドパワーの効果としては、瞑想の援助、健康増進、病気治療(内臓、精神、ケガまで)、おいしい水を作る効果、カミソリの刃の復活等、広範囲だと言われている。
 中国の気功師がピラミッドを使って遠隔治療したが、あれはおそらくこれらの効果を知っていたのかも知れない。
 私は高さが20センチのものを作った。実は、完成したピラミッドを、天井から吊すためのひもがなかったために、とりあえず私のすぐ前にある棚に置いていた。そしてそれを忘れて原稿を書いていたら、だんだん頭が痛くなってきたのだ。昨夜の寝不足が原因かなと思いつつ、頭痛薬を飲もうとして前を見たとき、ピラミッドの存在に気がついた。
 「まさか、これが・・・」
 ピラミッドの近くにいて頭が痛くなったなどという話しがあるものだろうか?
 気をまったく感じない私にこんなことがあるわけないと、半信半疑でひもを買いに行き、南北に位置するようにピラミッドを天井から吊してみた。するとどうだろう。5分もしないうちに頭痛は治まり、非常に快適な状態になった。そして夕方、仕事が一段落すると、私はその下で10分程眠ってしまったのだ。この10分程眠るという行為はその後、一日おきくらいに続いている。この本をまとめる作業に入り、作業は忙しくなりストレスはたまる一方なので、この少しばかりの睡眠にずいぶん助けられている。
 実は、もう一つ作成中のピラミッドがそばにあったが、これにはエナメル線を張っていなかったため、頭痛がするということは起こらなかった。メビウスの環の効果がいかに大きいかを身をもって知らされた。
 カミソリの刃が復活すると聞いたので、実験をした。髭剃り用二枚刃カミソリ(ジレット)を二つ用意し、ひとつはピラミッドの中に入れ、ひとつは外に出しておいた。そして顔の半分ずつをそれぞれ一枚ずつ使って剃った。二週間後、外に置いたのよりは確かにピラミッドの中のほうが切れ味は良いと思う。しかしこれは感覚の問題もあり、断言はできない。
 次に食品をテストしたくなり、とりあえずプチトマトときゅうりを買ってきて、半分をピラミッドの中に入れた。またコーラを二つ買ってきて両方プルリングを抜き、それも同様にセットした。
 三日後、まずプチトマトだが、ピラミッドの中に入れていたほうは、噛んだときのあの表皮が破れるフレッシュな感覚が味わえ、さらに酸味も残っていたが、外に出しておいたほうはグチャと潰れてしまった。きゅうりも、ピラミッドの中のものはコリコリする感じが残っていた。これら野菜については差は歴然としたものがあった。
 コーラは、炭酸に関しては何とも言えないが、ピラミッドの外のほうは甘みがものすごく発生していて飲めなかった。口直しにあわててトマトを食べたほどだった。ピラミッドの中のコーラは問題なく飲むことができた。
 ただし、ピラミッドの中のものでも完ぺきに原型のままではない。トマトは買いたてのほうがおいしいし、コーラだってそうだ。外に置いたものよりはマシだという話しだ。
 次に水についても実験したくなり、まず塩素反応をやってみた。ところがこれだけは予想に反していた。通常水道水は、コップに入れて三時間もほっておけば自然に塩素は消える。私はピラミッドの中に30分も水を入れておけば塩素は消えると思った。ところが、ピラミッドの中に入れた水は、丸一日塩素反応を出し続けたのだ。おいしさはと聞かれると、どちらも同じだという感じだ。少なくとも水についての歴然とした結果は塩素反応のみだった。

神秘図形の謎に挑戦

 さて、ピラミッドのエネルギーが強すぎることを感じた佐佐木さんは、メビウス曲線だけが原因ではないこともつきとめる。
 ローレンツ変換(特殊相対性理論の中の式)の意味を探求したら、時空というのは分布定数回路というものであらわされる電話線や送電線と同じものであるということがわかり、そのため時空には一定の経路きざみのような単位があることがわかった。(これが磁流の基本経路と呼んでいるものであり、そのひとつがメビウスの環と同じ形をしている)。
 その結果2.095ラジアンを始めとする3つの角度のV字形を紙に書くだけでパワーが出ることがわかった。
 彼はこれらの角度を基本角と名付け、これらの角度が入っている図形は何であってもそれだけでパワーが出るというのだ。これらの算出方法は会報1号から3号にかけて載っている(この算出方法は相当難しいが、結論としては分布定数回路の位相定数がゼロになる、言い替えれば位置角がゼロになるらしいのだ)。ちなみにパワー図形で有名な正六角形は、角度にすれば120度である2.095ラジアンの値を使っている。
 これを学会で発表したのが契機となり、日本テレビがワンダーゾーンの「神秘図形」という特集で彼を取材に来て、多くの図形商品が出るきっかけとなったようだ。しかし他の組織で売られている商品は直感と試行錯誤にたよっており、最初に佐佐木さんが提案した科学的背景はほとんど知られていないようだ。それらは形の効果だと云われているが、実は形ではなく、経路に沿っての回転角が問題なのだと彼は言っている。
 V字を書いた紙をコップに貼ると水の蒸発速度を10〜30%も遅らせてしまう。実は私も実験してみた。プリンのカップに60度のV字を20個ほど書いた紙を貼って実験したのだが、実際に10%程蒸発速度が遅れた。
 もしこれが本当なら、世の中に出回っているエネルギー図形が、実はその内部の角度だけが問題だったことを、ほとんどの人は知らないのではないか。
 ピラミッドの構造はこれら三つの基本角をすべて持っているのだそうだ。メビウスの環に加えて基本角さえも持つピラミッドは、その中では少なくともエントロピーの増大(秩序が減少するということ)がかなりおさえられるとみることができ、たとえば剃刀の刃の切れが持続すると言われている原因と考えられると言う。
 エントロピーという単語が出てきたが、これは熱力学の用語で、「秩序」と言い替えることができる。宇宙のほとんどのものは秩序が無くなる傾向にある。
 たとえばカップにお湯を入れてほっておけば、しだいに冷めていく。これは温度差という秩序が無くなることを意味している。窓ガラスが割れてバラバラになる。これも一枚ガラスという秩序が無くなったのだ。自然界で一度秩序がなくなると、元には戻らない。さめたお湯は、そのままでは絶対に熱くならない。だからカミソリの歯は、絶対に元にはもどらない。時間が逆転しないかぎりはだ。
 私は図形にも興味を持ち、正確な角度で作った基本図形のシールを佐佐木さんから送ってもらった。そこには、過去これらを使った人の報告書も添付されており、そこにはガソリンの燃費を20%も上げたと書いてあった。こういうことをすぐに信じたくない私は、さっそく自分のバイクで実験してみた。私のバイクは現在ヤマハSR250で、都心の渋滞でもリッター23キロは走る。私は三つの角度のシールをペアにして全部で36枚貼った。通常の神秘図形でないところがデザイン的にも気に入った。そして二週間後、燃費を計ったところ、なんとリッター26キロにアップしたのだ。13%アップである。20%には及ばなかったが、これでも驚異だ。ただし、本の締切のタイミングの関係で、実験は一回しかできなかった。燃費は走った道路により事情は異なるので13%アップをそのままうのみにしないでいただきたい。

古代文明からの警告

 ピラミッドは位置角をゼロにする働きがあり、高次元からエネルギーが運ばれる方向との相対的な位相分の回転がないという意味で、その高次元媒体Xの波にうまく乗っていると表現できると言う。これにより、大宇宙が持っている生命エネルギーそのものの情報を、ノイズ(位相歪)をまったく除いた形で得られると言う。再度強調するが、それらはエネルギーだけを受けるのではなく、あくまでもそれに乗せた情報を受けるのだ。「心臓はこう動くのが正常だ」とかいった「情報」を再インプットすることなのだそうだ。ピラミッドを吊した下で瞑想をすると良いと言うのは、まさにこの宇宙を流れる、ノイズを除いた真の情報と触れ合えることが可能だからと言う。
 さて、佐佐木さんの計算によると、地球という物体は基本角から少しばかりずれていると言う。そしてこのずれがあるから地震等の災害が起こるのだと言う。そしてアトランティス大陸の沈没から一定期間を迎えた今は非常に危険な状態だと言う。
 これをどう回避すれはよいか、佐佐木さんは人間の意識の集合は自然の位置角をコントロールできるというのだ。つまり地球の位置角をゼロにできるのは人間の意識だと言う。
 私が思うに、これによると地球は元々人間という存在を計算に入れていたのだ。むしろ人間という存在がないと、地球そのものが自己崩壊してしまう確率が高いのではないか。これは人間の存在そのものを悪とみなす環境保護者の考え方よりずっとプラス的であると思う。
 彼は高次元の世界は七進数だということを計算によって出している。これを当てはめて計算すると次の次元での最高スピードは光速の55.17倍、その次は80兆倍、そのまた次は10の99乗倍ということになる。
 アンドロメダ銀河は地球から220万光年の彼方にあるが、そこに到達する時間は次の次元では4万年もかることになり、以外に高次元も遅いという印象を受ける。しかしその次の次元ではこれが0.8秒に縮まり、やっと無限大に近づいたという感じはする。実はこの数値そのものが地球崩壊の準周期だと計算している彼は、現時点での危機を脱すれば、次は当分来ないと言っている。
 さて、これらは古代文明に関する論文の中に書かれているのだが、その最後の文章を私はそのまま引用したい。(ところで、彼の文中に出てくる磁流とは高次元のエネルギーの流れのことで、われわれの世界でいうところの磁力線とイコールではない。)
 「我々もこれから、古代文明の遺産を使った応用を生み出すことになろう。たとえば磁流の分布定数経路を普通の三次元空間に作ると、位相定数ゼロ化によりピラミッドパワーができるのであるが、これは即、超光速通信(テレパシー、リモートビューイング)を意味している。また物体の加速度運動や電場の(時間的)変化等によって時間軸を含む方向に磁流の基本経路をつくると、減衰定数ゼロ化による無重力化等ができるが、それはUFOであり、同時に磁流の分布定数回路からエネルギーをとるフリーエネルギー装置を意味している。しかし、ここで最も重要なことは、磁流のエネルギーを利用するといっても、我々の生命と無関係に存在する物質のエネルギーというのは本来無く、我々が生かされているエネルギーそのものを利用するということになる。我々は自身と自己相似な具体的な生命体の中の、いわば神経回路の途中に住んでいるのである。もしもこのエネルギーを乱用すれば、磁流の周期的配置を乱し、そこに生育している存在を弱体化し、したがって我々の生きている基盤そのものを揺るがす結果となる。
 しかし反対に、より高次元の基本磁流との相対的位置角をゼロにすることに努め、磁流がすみずみのホロンにまでスムーズに流れるようになると、基本磁流に同期、協調するようになるので、自分自身の全体の中での存在する位置というものがわかるようになる。そのことはさらに上の次元の波動と同期、協調し、宇宙をとらえられるようになる。このことを筆者は自戒も含めて最も強調しなければならないと思った次第である。実は、我々はこうしたことを知っていた時代がおそらくあったと思われるだけに、これを読んでいただいた方々の少なくとも潜在意識に、何かしら訴えるものがあるのではないかと期待している」と述べている。
 ちまたでは、フリーエネルギーは21世紀の夢のエネルギーであるように期待されている。しかし彼はそれを無造作に使うことに疑問を投げかけている。高次元から取り出すのは、情報だけにとどめるべきで、エネルギーはまだやるべきではないと彼は言う。
 それどころかアトランティス大陸が沈んだのはフリーエネルギーを乱用したことと関係があるのではないか、さらに沈没前にその情報をどこかに記録したかも知れないとも言う。

念力計の開発に成功

 地球を救うのは人間の意志の集合だと彼は言ったが、個々人の意志はどのように高次元に伝わるのだろうか? 実はこれを計量的に計れるように開発したのが念力計(正式名:空圧型PK測定器)である。
 われわれはある種の思考や目的意識によって意識の状態が動くとき、それは高次元のエネルギー(磁流)の角運動量の変化となって現れる(と言う)。こうしたことから、人から物に向けられて発せられる磁流のゆらぎを測定すれば、念力を測定できることになる。
 開発した装置は、その中央にユニークな角運動量を計るセンサーが取り付けられ、メーターと電子音で左右どちらに回転の意志が発生したかを、その大きさまで含めて知れるようになっている。
 われわれ不思議研究所はさっそくこれを購入したい旨を申し出た。佐佐木さんの理論が難解で55%しか理解できない私は、とにかく彼の機械で実験してみるしかないと思ったのだ。がしかし、その機械は佐佐木さんがすべて自分で作るため、一週間もかかるという。取材した当日にあったものは、ある大学に以前売ったものを、その日だけ借りてきたのだ。
 後日、やっと届いた念力計、電池でも100Vでも動くようになっている。われわれはさっそく実験を開始した。
 スイッチを入れ、まず二つのメーターをゼロにする作業から始める。これはツマミ一つでできるが、一度調整してもすぐにずれてくる時がある。これを時間をかけてゼロにする。感度調整用のツマミがついているが、凡人の私はとりあえず最大値にセットした。
 少しばかり瞑想のマネごとをしたあと、ターゲットと呼ばれているセンサーに向かって右回転のイメージをもった。ターゲットは覆いが取り付けられている為、直接そこを回転させるイメージにつなげるのはむずかしい。そのためだろうか、メーターは両方ともびくともしなかった。やっぱり私はだめかと思いながら、ターゲットの覆いを取り外してみた。
 その結果はどうか、実は私でも動いたのだ。左に回れと念じれば右の針が振れ、右に回れと念じれば左のメーターが動く。まるで訓練の行き届いた犬のように、意志通りに動く機械を手にいれた感動は大きい。私の想念は外部に発信していたんだとあらためて思い直した。回転とメーターの振れが逆なのは、ターゲットを押すイメージと合わせているためだ。右端を押せば(左回転すれば)右のメーターが振れるといった具合にだ。
 動かすコツは、ターゲットに書かれているらせんのマークのどちらか一方を目で押すイメージを持つことで、反対側は引くというイメージを持つことだ。覆いをしてしまうとそのイメージが持ちにくいのだ。つまり気功師はイメージをいかに持つかということに関しての達人なのかも知れない。
 ターゲットから離れると、らせんのマークが見えにくくなるために念を送りにくくなる。私の場合は10メートルが限界だった。もしも頭の中のイメージだけで動くようになれば、アメリカからでも動かせるのではないかと思っている。
 一通り所員全員を実験し、同様の結果を得たあと、私はこの機械を超念力治療師の若山さんのところに持参した。するとどうだろう、メーターが振りきってしまい、六段階の感度調整つまみを三つも落とすことになった。なおかつ、隣の部屋に持っていても同様に振らすことができた。もちろんターゲットには覆いを付けたままだった。同じ人間なのに気功師と私ではどうしてこんなに差が出るのだろう。若山さんは指の先を軽く回転させていた。どうもあれがイメージをつくる方法かと思い、私もやってはみたがダメだった。
 佐佐木さんはこう説明する。「意識としての角運動量のゆらぎは磁流の分布定数回路によって次々と時空を伝わっていくが、この回路のフラクタル性が完全でないと、そのゆらぎがどの意識(波数)であったかという情報が歪んだりボケたりする。そこでフラクタル性が完全になるように場を整えることができれば、意識が正確に伝わるわけである」。
 フラクタル性とは自己相似な無限連鎖の構造のことで、ここではタンパク質やDNAのメビウスの連鎖が、高次元空間を通してうまく相手にまでつながっていくことを意味する。要するに、想念の情報の通りやすさの問題である。
 念力と言ってもエネルギーだけではなく、あくまでそれに乗せた情報なのだ。だからこの機械で念を送ることを練習することは、情報をテレパシーで相手に送る練習をしていることと同じなのである。
 これを練習した上で、相手の体が良くなることを念じれば若山さんの領域に達することも可能だと思うし、未婚の方は片思いの相手に自分の念を送ることだってできると思う。とにかく気を感じない私にとって、一つの測定器を手に入れたことは、今後の取材活動にプラスになるだろう。
 この機械は図形から発するパワーも測定でき、本書第一号の裏表紙を近づけたらビンビン振れたので私は喜んでしまった。ふたつのメーターのうち、右が減って左が増えれば交感神経に、左が減って右が振れれば副交感神経に効くとのことで、体に良いのは副交感神経系だそうだ。だから人を癒す気功師は特に右側のメーターを自在に動かせないとダメだと言う。佐佐木さんを訪れた際は、私はもっぱら左のメーターの指示が増えるだけで、それを減らして右のメーターを動かせなかったが、これは右脳からの放射に慣れていないためだと言われた。
 ところが何日か前に作ったピラミッドの下に移動して念を送ったら、なんと右が振れるではないか。
 大きく振らすには、愛情に満ちた状態のとき、例えば自分の家族の写真を見たあとなどはよく振れる。朝、目覚めた時もよく振れる。瞑想のまねごとをしたあともよく振れる。ただし、目をつむったり、ターゲットを隠したりすると出来ない。私は空間四次元を頭で理解していても、感覚では理解していないのかも知れない。
 実験して気づいたのだが、一度右にふれ始めると、なかなか左側に意識を持っていけない。意識の切り替えはほんとうに大変だ。
 それでも、自分の想念が肉体を越えて、外部の物体(ここではメーターだが)に影響を与えるということを知った事実は大きい。目で見るだけで物体を動かしたとすれば、作用反作用の原理で目がつぶれてしまうはずだと言った科学者がいたが、私の目はまったく異常はない。作用と反作用は、おそらく高次元との境目で起きているはずだ。
 「目は口ほどにものを言う」とか「目線がきつい」とか言うが、まさに目は物理的な力さえも相手に送っているのだ。
 しばらくはこの機械にはまりそうである。
 本を出版するとその中に出てくる物がほしいという読者がかなりいる。第一号では、超能力ネコのサブロー君のキーホルダーがほしいというリクエストが多くて困った。そういう電話が毎日あり、こちらでは用意していないと言うと、では本に使った写真だけでもいいから送ってくれと言ってくる。
 そんなこともあり、今回は佐佐木さんの研究所で出せる製品(完成品)は念力計を除いて入手可能にした。ピラミッドについては、メビウスの環のコイルを使用した強力ピラミッド・パワー発生器(正式名:波動位相歪み除去装置)がある。エネルギー図形のシールも用意した。もちろん、超能力猫サブロー君のキーホルダーも要望に応えて作ってしまった。

右回りの法則と101匹目の猿の解明

 不思議な世界で解明されていないその他の現象に関して、佐佐木さんに質疑応答の形で聞いてみた。やはり難解な単語が使われるが、ニュアンスだけでも得るところはあると思う。
森田:回転するジャイロで植物の発芽が速まるとかいった現象があるがその理由は分かるか?
佐佐木:おそらくジャイロは右に回転していたのではないか。回転という現象は加速現象のひとつで、これは実数の位置角に何らかのバイアスがかかることを意味し、高次元からのエネルギーを受けやすい。
森田:左と右の差は何から生まれるか?
佐佐木:森田さんは電子工学をやっているから分かると思うが、空間の中で回転するということはリアクタンス分が変化するということだと思えば良い。容量リアクタンス(1/ωc:ωは周波数に比例、cは電気容量)は右回転に相当する。周波数に反比例しているので、むしろゆっくり回したほうが効果が高いことがわかる。
森田:左回転は何に相当するのか?
佐佐木:誘導リアクタンス(ωL:Lはコイルの自己インダクタンス)だと思えば良い。
森田:右と左の差の意味は何か?
佐佐木:右に回転するエネルギーの流れというのは、電気容量が電気をためる性質のものであることからわかるように、磁流のエネルギーを蓄積する性質がある。一方、左に回転する流れは、誘導リアクタンスの性質からわかるように、いったんためたエネルギーを吐き出す性質を持つものである。
 人間の体には、DNAやたんぱく質など右らせん状に出来ているものが多いが、これはまず、磁流のエネルギーを蓄積させるためのものであることがわかる。
 ビールやタバコの上で手を右回りさせると体に良いものに変わるのは、この性質のためである。
 ジャイロ回転効果も(確かなら)ここに原因があると思う。
森田:人間の体で左回転のメビウス接続はあるのか?
佐佐木:ある。へその緒とZ−DNAだ。へその緒は別の生命体と接続するために、おそらく逆回転させる必要があったのではないか。Z−DNAはクリティカル(何かの時)にしか出現しないので他の状態と区別するためだろう。
森田:気功師は北半球なら右回転、南半球なら左回転にしろと言うが、これは正しいか?
佐佐木:正しくない。角運動量の問題はコリオリの力とは独立している。だから南半球でもエネルギーを入れる方向は右回転だ。
森田:ビールの上で右回りに手を回転するとまろやかな味になり、左回転をすると苦い味になるのは、北半球でも南半球でも回転方向は同じなのか?
佐佐木:同じだ。
森田:これらのことは計算式で証明されたのか?
佐佐木:された。しかし回転の方向性は実験で調べた結果だ。
森田:念力計で意識を切り替えるのが難しいがそれはなぜか?
佐佐木:これは「意識するとは角運動量が保存することを意味し、摩擦がない限りは回り続ける」ことによる。一度意識したことは永久に残るし、現象を変化させる。
森田:ライアル・ワトソンの101匹目の猿はこの現象の現れか?
佐佐木:その通りだ。芋を洗って食べる習慣は、高次元に張られている分布定数の三次元の断面の空間に対して瞬間に伝搬したのだ。量子論を正確にマクロな世界に広げるとすべてそうなる。アスぺの実験と言って、「神はサイコロを振りたまわず」といったアインシュタインたちのいわゆるEPRパラドックスに反して、片方の電子のスピンの上向きを発見した瞬間にもう片方は下向きであることが観測された。すでに同時性は証明されつつある。
森田:やはり瞬間は存在するのか? 次の次元では光速の55.17倍ではなかったか?
佐佐木:エネルギーがゼロだと無限大になる。エネルギーが少しでもあると有限値になる。エネルギーゼロとはきわめて自然な状態のことだ。高次元では多くのものが無限大で飛び交っている。

現実をふまえた開発

 彼との話はこのように尽きることがない。
 最後になったが、文中で使われた高次元媒体Xの話をしよう。佐佐木さんは元々「タキオン」という書き方をしていたのだが、私が勝手にXとした。
 タキオンとは1967年にコロンビア大学の物理学者ファインバークによって理論的に予言された超光速粒子である。しかしまだ実験的には確認されていない。
 佐佐木さんは当初からこれに着目し、純粋に物理学的に研究してきたわけであるが、この十年の間にタキオンはいかがわしい商品を科学的に説明するための代名詞のようなものになってしまった。彼の言っているタキオンはどこにでも存在するはずなのに「タキオン発生器」などという商品まで売り出されている現状である。本来名前などはどうでも良いので、最初からへんな先入観をもって読まれてもこまるので、私があえてXとしただけである。
 私は、佐佐木さんに「これらを開発する動機ですが、夢が原動力ですか」と質問した。ところが「いや、私の場合100%現実です」という答えが返ってきた。現実をふまえた上での開発でないと絶対に無理だと言う。たとえば、新しい理論を特許でガードするための作業も膨大なものになるらしいのだ。現に、私の取材の為にまだ未発表の理論をしゃべってもらったが、それもこの本が世に出るまでに特許申請をすると言う。本当に夢だけでは絵に書いた餅なのだ。しかしそういった佐佐木さんの好意により、この本に載った内容は、もぎたての果物のようにフレッシュなはずである。
 ところで空間と時間は等価であると言っている彼は、私のように四次元の要素は空間だとイコジになって主張する必要はないとも言う。まるで空間のように時間を取り扱う彼の説は、次の号の予知と運命のコーナーでぜひ披露したいと思う。空間を越えて念が送れるならば、時間を越えて念(願望)を送ることは可能なのだ。
 実は、例の念力計を頭のイメージだけで動作できるようになり、「明日の正午に右に回れ」という念じ方をしておけば、実際にその時刻に回るような気がするのだ。もしそれが実験でうまくいけば、私の願望は未来に伝わり、私の想念で未来を物理的に変えたことになる。これができれば、まるでタイムマシンの世界ではないか。なら、過去にも送れるのだろうか?


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